弊社とセルプールとの出会い

弊社とセルプールとの出会い

弊社とセルプールとの出会い

篠原化学は、日本でウレタンフォームが一般的になる前から、ウレタン事業に参加してきたパイオニア的存在です。

一人でも多くの方に良質な睡眠をお届けするために製造・販売しているセルプールの寝具は、年齢や性別を問わず多くの方から好評をいただいています。

私共がいかにしてセルプールに出会ったのか、ほかの寝具とどう違うのか、その魅力を紹介します。

「眠れる国は幸せな国」創業者の寝具への思い 

篠原化学の創業は昭和34年で、私の父である篠原二郎が興した会社です。

父は大正生まれで、第二次世界大戦に参戦した際に捕虜となり、2年間も現在のロシアで強制労働を経験しました。

その後、日本に帰国した初日、36時間くらいずっと眠ることができたそうで「眠れる国は幸せな国だ」というのは父の口癖でした。

寝具の業界に参入してからも、寝具と国民の民度は比例するといつも申しており、私もその父の思いや理念を引き継いで寝具の製造に向き合っています。

 ウレタンフォームにいち早く着目したパイオニア的存在 

私共の会社を立ち上げた昭和34年は、ちょうどヨーロッパから初めてマットレス、つまりウレタンフォームが入ってきた時代でした。

今でこそ、マットレスにウレタンフォームを使うのは一般的ですが、実は世界でウレタンフォームが寝具として発売され始めたのは、ここ60年ほどのことです。

世界で初めてウレタンフォームが発表されたのは、ドイツのハノーバーで開催された展示会で、父は当時、取引相手との伝手でウレタンフォームを知り、すぐ事業に参加することになりました。

その後、ウレタンフォームのマットレスが日本中に広く普及したんです。

ウレタンフォームのデメリットを払拭するセルプールとの出会い

ウレタンフォームのマットレスは非常に人気があったのですが、実はその頃のウレタンフォームは燃えやすいという弱点を抱えていました。

昭和40年頃に、弊社の工場の中で機械の火花がウレタンフォームに引火して、新聞の一面に載るような大火災が起こりました。

それを機に、一度ウレタンフォームの事業から撤退することになったのですが、質の良い寝具を届けたいという信念は持ち続けていたので、枕などほかの寝具を主体にして事業を続けてきました。

でも、やはり寝具のメインは敷き布団やマットレスみたいな敷き寝具なんですね。

そこで2000年頃から、再びニーズに合ったウレタンフォームを探すことになったのですが、なかなか納得いくものが見つかりません。

半ば諦めかけていた頃、2009年のドイツの展示会でセルプールに出会ったんです。

それまでのウレタンフォームとは桁違いの「高密度・高弾性」「難燃性」「天然由来で蒸れにくい」という優れた性能を持っている製品だったのです。

そこで帰国してからすぐにオーストリアまで飛んで、製造元のネベオン社さん(旧ユーロフォーム社)に取り引きをお願いしたのが、セルプールを取り扱うようになったきっかけです。

 汗をかいたときに調整してくれるセルプール 

ネベオン社は幅広い製品を製造しているのですが、部門によってセルプールの発泡の仕方を変えているところが特徴です。

たとえば椅子のシートは寝ているときよりも荷重がかかるのでかなり硬いものにする。寝具の場合は体が密着している部分に汗をかくから植物由来のものを入れた発泡を行うなど。

起きている間に汗をかいたときは、洋服を脱ぐなどして調節できますが、寝ている間はそれができません。

なので、マットレス自身が汗を吸収して、調整してくれるのが一番理想的なんです。

寝具用に開発されたセルプールには吸汗調湿作用があって、今では「呼吸するウレタン」と呼ばれています。

ある実験では、就寝時の寝床内の湿度が80%くらい上がるところ、敷き寝具をセルプールに替えると寝床内の湿度を理想的な数値に抑えられることが確認されています。

密度もしっかりしていて、人の寝姿勢や体圧の分散などを計算して硬さが決められています。

当時、そういった考え方は日本ではまだなかったのですが、ヨーロッパでは寝具は体を回復させるためのドクターになるような存在という考え方が定着しているんですね。だから寝具へのこだわりがとても強い。

最近は日本でもコロナ禍で在宅時間が増えたせいか、寝具にこだわる方が多くなってきました。

おかげさまで、セルプールシリーズはテレビ通販でとても好評をいただいています。

唯一無二の技術力

セルプールはオーストリア大使館商務部から推薦されるほど高品質の素材で、非常に高い技術力が用いられています。

人気が出ると類似品が多く出回りますが、セルプールが唯一無二といわれているのは、芯材自体に植物由来のものを入れて発泡しているからです。言葉にすると簡単ですが、実際にはかなり高度な技術が必要なので、メーカーのほうでも17ヵ所ある工場のうち、本社工場でしか作れないといっています。

植物にはユーカリ等の樹木が使われているのですが、それは女性のインナーや衣類に用いられている「テンセル」という素材です。

セルプールは、そのテンセルを作ったレンチング社とネベオン社の共同開発のウレタンフォームなので、簡単には真似できません。

このセルプールの特性をさらに高めるために、同じくテンセルを生地に採用しマットレスや枕を製造しています。

ちなみにテンセルはとても水分率が高くて、触れても静電気が起こりにくく、しっとりしています。

静電気が発生すると髪が傷みやすいですが、水分率の高いテンセルならその心配も少なくなると評判です。

また、化学繊維だと肌が乾燥しやすいですが、100%天然由来のものなので、女性や肌が敏感な方にもおすすめしたい製品です。

日本にマッチさせるための工夫

弊社が設計した図面に基づいてネベオン社がウレタンの発泡とカットを施します。

そして図面どおりにカットされたウレタンが日本に届き、弊社で検品とセットアップを行い日本製として消費者にお届けしています。

その図面は代表の加賀俊光が作成しています。納得いくまでネベオン社とやり取りして、ようやく製品が決まるという感じです。

ガワに関しても弊社が企画し日本仕様にマッチさせるための工夫を採り入れています。

たとえばヨーロッパには床に寝るという習慣がないので、日本では割とポピュラーな三つ折りで収納できるマットレスというのがなかなか理解してもらえませんでした。

向こうではマットレスは折りたたむという概念がないのです。

そこで、マットレスの厚みを8cmにして、三つ折りで24cmくらいになるものを作りたいと説明して、見本を送ったんです。

そうしたら向こうの展示会で出展されて、意外と話題になったそうです。それを機に比較的薄めの8cm厚のマットレスが欧州で認められるようになりました。

ちなみにむこうで検査もしたら、8cm厚のマットレスでも十分体圧を分散できるという結果が出ました。

あとは、外国の方は横から見ると弓なりの体形をしていますが、日本人は後頭部もあまり出ていないし、ヒップもそれほど大きくありません。

外国人に比べて凹凸が少ないので、向こうの基準で作ったものだと、日本人の体形にまったく合わないことも多々あるんです。

そこで弊社代表がマットレスも枕も全部日本仕様に変えた図面を提出して、むこうの承認を得たうえで、現在日本で販売させてもらっています。